無理なプランや数値目標を指示されると現場の力は弱くなる 日本企業の病巣を斬る(1)日本企業の4大疾病 追加日:2023/12/01 日本企業の病巣に「オーバープランニング(過剰なる計画)」「オーバーアナリシス(過剰なる分析)」「オーバーアダプテーション(過剰なる法令順守)」がある。これは経営学者の野中郁次郎氏が提唱したものだが、これに「オーバーコ... 予算、人員…制約を乗り越えるところから自由は出てくる 日本企業の病巣を斬る(2)「商売の原点」に戻る 追加日:2023/12/08 「なぜ売れないか」をデータから分析しても正解は出てこない――かつてキリンビール高知支店はこの問題に直面していた。必要なのは、人の心の流れを市場全体の流れとして捉えることで、「お客さんのため」に行動することだった。そこで... 最善が堕落したものは最悪である…無限なのは理想や魂のみ 日本企業の病巣を斬る(3)足るを知る 追加日:2023/12/15 日本の企業には伝統的な成功パターンがある。三井越後屋は地域密着型の商売を行い、300年繁栄を続けているが、これは当主が「足るを知る」をわきまえていたからだ。ローマ帝国の有名なことわざに「最善が堕落したものは最悪である」と... オーバープランニングやオーバーアナリシスをどう変えたか 日本企業の病巣を斬る(4)全社改革の断行 追加日:2023/12/22 多角経営で失敗するのは、「足るを知る心」や「わきまえ」がないからである。物質には限界があるが、心は無限に成長できる。その点をふまえずに、ライバルメーカーの真似ばかりして成長しようとしても、うまくいくはずがない。「心」... 暗黙知と形式知…「使命感や恩」で心を燃やすのが日本の道 日本企業の病巣を斬る(5)暗黙知と形式知 追加日:2023/12/29 欧米の企業と日本の企業の違いは、欧米が数値目標を求めるのに対し、日本はお客さんに喜んでもらうことに主眼を置く。これは野中郁次郎の言うところによれば、日本は「暗黙知」であり、一方、欧米の理論は「形式知」である。「暗黙知... 理念と使命感と塩梅…組織や数字の奴隷にならない生き方 日本企業の病巣を斬る(6)組織の奴隷にならないために 追加日:2024/01/05 企業の「勝ち負け」は、相手を蹴落とすこととは違う。それは「いかに顧客の心をつかむか」の競争であり、「顧客の心をつかむ」のは「勝ち負け」とは関係ない。顧客の心をつかむことで得られるのは満足や愛である。理念の実現に向かっ... 創造的経営の核心…「個人の信念」を真実として正当化する 日本企業の病巣を斬る(7)信念と創造的経営 追加日:2024/01/12 理想や使命へ向かうと「自分がこうやりたい」というものが出てくる。それぞれに正解を見つけていくしかないから、おのずと自分の持ち味が発揮されるようになる。ところが、現在の日本の企業社会では会議ばかりを重んじるあまり、「暗... 次善を求めよ…ありえぬ「最善」や「絶対正義」を求める愚 日本企業の病巣を斬る(8)「次善」を求める 追加日:2024/01/19 この世には本来、「最善」などない。必ず欠点がある。それは企業も同じこと。よって「次善を求める」精神が確立してくると、オーバープランニングやオーバーアナリシス、オーバーコンプライアンスの問題も解決に向かう。しかし、今の... 数字を追いかけるな、説明責任を求めるな…共感経営への道 日本企業の病巣を斬る(9)社会的共感経営の実現 追加日:2024/01/26 野中郁次郎氏の唱える「知識創造企業」を築くには、「暗黙知」の活用と、地域やお客さんとの「共感」が重要である。まさに「共感経営」が重要だが、そのためには、数字を追いかけたり、説明責任を求めたりするのが間違いだとわからな... 誇るべき自分へ…「使命を自分が果たす」と自分で決定せよ 日本企業の病巣を斬る(10)会社の使命を自分の使命に 追加日:2024/02/02 アメリカの企業と日本の企業はそもそも成り立ち、性質が違う。アメリカの企業は株主が「金儲けのために作った」のに対し、日本の企業は「どういう儲け方をしたか」を問う歴史伝統に立脚している。日本人はそこに戻る必要がある。それ... なぜ日本の従業員の会社への愛着は世界最低クラスなのか 日本企業の病巣を斬る(11)みんなが「おかしい」と感じている 追加日:2024/02/09 「いい加減」「適当」「暗黙知」といったことこそが、日本人が持っている非常にいいところ、素晴らしいところであった。それを、コンプライアンスをはじめとしたアメリカンビジネス追従によって、壊してしまった。そのことが、現代日... 新しい価値を提供して既得権を打ち破るのが企業の使命 日本企業の病巣を斬る(12)最大の既得権とは 追加日:2024/02/16 現代社会で一番どうしようもない状態になっているのが既得権の問題である。この問題を解決できないと、日本も世界も、どの国の経済も、いい状態に戻ることはできない。そして今、最大の既得権となっているのは、社会保障である。この...
「使命観=パーパス」に立脚できないのは自分のエゴのせい キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(1)悩みの99%は他者との関係性 追加日:2022/08/15 いのちの電話にかかってきた内容を2万件調査したところ、その99%以上が「自分と他者との関係性」での悩みだったという。一方、あるコーヒーチェーンの話では、仕事に喜びを感じるのは、「お客さんから喜ばれる」「ほかのメンバーから... 「お客様のため」に心が向かうとイノベーションも起きる キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(2)どうすれば好循環が生まれるか 追加日:2022/08/22 「自分は自分、人は人」というエゴイズムから、どうすれば脱却できて、好循環に持っていけるのか。田村潤氏は、「自分の利益を超える『1つ上の概念』に向かうことが大切だ」と説く。それこそ、企業の「使命」なのである。なにしろ、企... 1年分の営業予算が3カ月で枯渇…そこからどう逆転したか キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(3)「打つ手が全部当たる」境地とは 追加日:2022/08/29 お客様に聞きに行く…とひと言でいうが、実際には難しい。最初は、「何を尋ねればいいのか」からわからなかった。また、得意先の要望を聞いているうちに、1年分の予算を3カ月で使い果たしてしまった。これは大失敗で、本社からも怒られ... 使命を果たすためには「自由」が必須…だから幸福になれる キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(4)自由でなければ始まらない 追加日:2022/09/05 実は、「使命を果たすこと」を目標にすると、「自由にせざるをえなくなる」。なぜなら、たとえば「お客様に喜んでもらう」ことを使命と考えた場合、お客様は百人百様なので、全部正解が違うからだ。だからこそ、「使命を果たす」とい... 「相手のロジック」を考えて改革する…使命であれば諦めない キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(5)相手の内在的な論理を把握する 追加日:2022/09/12 「仕事の定義を変える」「お客様に喜んでもらうことを使命にする」といっても、みんなに納得してもらえるわけではない。では、どのように仕事を進めていくべきなのか。大事なことは、「相手のロジック」に乗っかることである。相手の... 「理念」は言葉ではない、「挑戦」をしつづけることである キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(6)幸せと業績の一体化とは 追加日:2022/09/19 使命を果たすために大事なのは、行動である。行動しているうちに何かが潜在意識にたまり、やがて顕在化して、よい結果をもたらす。行動に至るパターンはさまざまだが、最大の動機は「幸せになりたい」だった。名古屋では使命を果たす... 「なぜ売れないのか」は追及せず、今と将来だけを考える キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(7)幸せの正体とは 追加日:2022/09/26 キリンビールの東海地区の営業責任者だった時代には、毎週月曜日に全員にメールを出し、今週やる仕事の意味と「使命が果たされた現場」の様子を伝えた。これによりどう動けばいいかがわかり、情報を共有することで刺激を得られ、より... 自分の幸せと業績向上の好循環を生むフローチャート キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(8)成功のプロセス 追加日:2022/10/03 キリンの実例をもとに作成したのが「自分の幸せと業績向上の好循環を生むフローチャート」である。高知支店でまったく売れない状況に置かれたなかで、会社の存在意義について「自己との対話」を重ねた結果、「会社の使命を果たす」と...
豊臣秀吉でさえ自信を持ったら「バカなじいさん」になった 自信について(1)現代は「自信教」にまみれている 追加日:2022/03/25 執行草舟と田村潤氏が、「自信」についてどう考えるべきかを論じあう対論。最近の日本は、とくに若い人で自分の仕事に自信がない人が多い。もちろん、そうなってしまった大きな要因としては、日本の大家族主義的な気風が失われてしま... 「すべてをありのまま受け入れる」から可能性を追求できる 自信について(2)「自信がない」から何でもできる 追加日:2022/04/01 田村潤氏は自分の仕事ぶりを記録して、自分を「失敗する人間」と定義したという。だから失敗を潰すように努力することができたのだ。昔の実業家や成功者もみな「何もできない自分」と考えていた。「自分はダメ」と考えるから、全身全... 企業における「自己信頼」の根源は「企業理念」である 自信について(3)理念や理想への共感が自己信頼の源 追加日:2022/04/08 「自己信頼が高く」「自分を失わない」人はどのような人だろうか。挙げられるのは「心の中に理想として共鳴できる人」を持っているかどうかである。松下幸之助や出光佐三も、自分が理想として共感できる人を心の中に持っていた。自己... 「会社の善なるもの」と「個人の善なるもの」が共鳴する 自信について(4)大和魂のあり方を問う『源氏物語』 追加日:2022/04/15 企業理念の実現に向けて行動すれば、会社はよいほうに向かいだす。行動するために必要なのは「勇気」だが、じつは勇気を持つのが一番難しい。勇気を理解するには、民主主義や平等思想などを1回捨てて、「魂」の問題を考える必要がある... 西田幾多郎と魂の苦悩を共有する時間を持ったことへの共感 自信について(5)西田幾多郎の本の魅力は「永遠の苦悩」 追加日:2022/04/22 「自分が進む道は、これだ」「うまく行くかはわからないけど、やってみる」……その境地に達するために大切なのは「初心」や「原点」の歴史を知ることである。しかし、それによって「憧れ」は抱けるようになっても、「自信」を抱くこと... すべての評価が「量」になれば人間はみんな自信を失う 自信について(6)精神論は人間にとって一番大切なもの 追加日:2022/04/29 一昔前の英米人は、「仕事」と「信仰の生活」とは別ものだった。だからこそ、ビジネスは「金儲け」だと割り切っていた。アメリカの寄附文化も、単に仕事を引退した人が、キリスト教の世界に戻って、慈善を行っているだけである。日本... どうして「ズルをする人生」を選んでしまうのか 自信について(7)仕事に「苦悩」はあるか、ないか 追加日:2022/05/06 現代人は文学を読まなくなり、教養も失った。ゲーテの『若きウェルテルの悩み』を薦めてみても、何が書いてあるかわからない(恋愛文学であることもわからない)人ばかりになってしまった。人間は理想を追求しつづけられる人と、ズル... 自分のためだけの自己実現の「強烈な虚しさ」は何か? 自信について(8)自分の「道」はどうすれば見つかるか 追加日:2022/05/13 自分の「道」はどうすれば見つかるのだろうか。自分本位の「自己実現」を果たしたところで、「強烈な虚しさ」を感じるだけになりかねない。「量の追求」を求める現代社会では、「道」を見つけるのは難しい。だが、キリンビールでは全... 「質」も「量」も追求して成功した岩波書店・岩波茂雄 自信について(9)「質」と「量」のバランス 追加日:2022/05/20 「量の文明」が席捲するなかではあっても、「質の追求」は誰でも日常生活でできる。ただし、限界はある。質は、量が増えるとダメになるという相関関係があるからである。だが、大正から昭和初期にかけて、見事に「質」と「量」を両立... 松下電器の製品には「人間の心」が入っていた 自信について(10)人助けが商売の儲けにつながる 追加日:2022/05/27 現在、ビジネスで大きな儲けを出した創業者たちが、何十億円もかけて宇宙旅行に行っている。これは明治の成功者とは大違いだ。なにしろ明治の成功者たちは、美術事業など日本の役に立つお金の使い方をしていた。財産を使うのも、教養... 伝統は「これを日に新たに救い出さなければ」ならぬもの 自信について(11)絶えず挑戦するのが「保守」 追加日:2022/06/03 たとえば売上げ目標を「前年比102」などにすると、実際には「100」にも到達しない。リスクを侵さず、去年と同じやり方でやろうとするから、時代の変化についていけない。伸びる組織は自分たちで工夫して、イノベーションを起こしている... 名将たちほど敵を怖れ、窓際族は自信に満ちている 自信について(12)自信を持ったら「ただのバカ」 追加日:2022/06/10 日本人は「自信を持たないこと」が素晴らしい活動のできる根源だった。それは、皇室や家制度があって、尊いものが常に自分の上にあったからこそのものだった。また、理想を掲げていれば負けても「誇り」を持てるが、「自信」は勝ち負...
ブランド力を高めるために「自社の強み」を徹底的に聞け 営業から考える企業戦略(1)成功するブランド戦略とは? 追加日:2021/07/12 キリンビールで副社長兼営業本部長として指揮を執り、2009年にシェアの首位奪回を成し遂げた田村潤氏に、営業の立場から経営戦略をいかに考えるべきかを聞く。第1話はブランド戦略の極意についてである。キリンビールは「大ブランド」... オーバーアナリシス、オーバープランニングを「直観」で破る 営業から考える企業戦略(2)データより現場のリアリティ 追加日:2021/07/19 日本企業の不振の主な原因は3つある。「オーバーコンプライアンス」「オーバーアナリシス」「オーバープランニング」だ。企業の戦略において、現状分析と翌年の計画を立てるためにもデータは欠かせないが、分析のしすぎはおかしい。な... 「個別の判断能力」を高めなければ、いい戦略でも失敗する 営業から考える企業戦略(3)個別の判断力をいかに高めるか 追加日:2021/07/26 企業の戦略が正しいのに、結果として失敗している会社は数多くある。それは、「個別の判断力」に起因する。正しい戦略と個別の判断は違うものだと田村氏は言う。では個別の判断力を高めるにはどうしたらいいのか。また、本社勤務が続... 「営業はコスト」と捉えると失敗する。価値を生む源泉だ 営業から考える企業戦略(4)営業はコストではない 追加日:2021/08/02 昨今、日本企業の中で「営業はコスト」として軽視される傾向がある。しかし、これは明確に間違いである。なぜなら、営業はイノベーションの源泉だからだ。そのためには、営業における基本の徹底として、「営業の基本」のレベルを「断... シェア軽視の高付加価値経営や不利益部門の撤退がダメな理由 営業から考える企業戦略(5)切り捨てる経営の大失敗 追加日:2021/08/09 日本企業の弱体化の原因はどこにあるのか。たとえば一時、「これから日本は低価格帯の商品は途上国に任せて、高付加価値経営を目指すべきだ」という議論が流行った。あるいは、「不採算部門は切り捨てるべきだ」という議論も盛んに行... なぜリベラルアーツが、ビジネスの成功に必要不可欠なのか 営業から考える企業戦略(6)「大義」と「野性の精神」 追加日:2021/08/16 激動の現代にあって、日本企業はどのように乗り切っていくべきか。それにはやはり、「自分たちの会社は、こんなものではない、もっと高みに行くのだ」と挑戦する「勇気」が必要だと田村氏は言う。そして、そのような「大義」を実現す...
なぜ「やる気のある社員」が日本では6%しかいないのか? 営業の勝敗、キリンの教訓(1)やる気のない社員になる理由 追加日:2021/01/25 ベストセラー『キリンビール高知支店の奇跡』の著者で元キリンビール副社長であった田村潤氏に、キリンでの経験と営業の勝敗を分けるポイントを聞く。田村氏がかつて高知支店に配属された1995年は、キリンビールがまさに窮地に陥って... 自分のためには頑張れないが、誰かのためには頑張れる 営業の勝敗、キリンの教訓(2)「自立性」こそがカギだ 追加日:2021/02/01 日本のサラリーマンが「指示待ち」になってしまうのは、入社してからの習い性であり、「自立性」を身に着けるのは難しい。だが、「やる気のある社員をつくる」ためには、自立性を持つしかない。しかも、明治期の日本人を振り返れば、... 精神論は不可。「理念が実現した状態」を具体的に定義せよ 営業の勝敗、キリンの教訓(3)理念は単なるきれいごと? 追加日:2021/02/08 会社にとって重要な「利益追求」だが、しかし、「利益追求」だけでは、社員は動かない。かといって「理念」を唱えているだけでも、社員や組織は一歩も動けない。では、どうすればいいのか? それは具体的に、どのような行動に移すこ... どんどん知恵が出て、百戦百勝になるとっておきの方法 営業の勝敗、キリンの教訓(4)お客様本位で行動する 追加日:2021/02/22 キリンビールの売り上げを伸ばすために、現場で試行錯誤を繰り返し、ようやくたどり着いた自分たちが目指すべき理念の実現。しかし、それを社員たちに話すも、当初は理解されなかったという。田村潤氏はどのようにして社員全体に浸透... 「自由」がないと「行動する勇気」はわいてこない 営業の勝敗、キリンの教訓(5)心に火がついた3つの要因 追加日:2021/03/01 一致団結して、企業理念の実現へと行動し始めることができたキリンビール高知支店の社員たち。当時を振り返ると、自分たちの心に火がついた要因が「3つ」あったという。その内容と、組織のリーダーがなすべきことは、いったい何だった... やられたら「倍返し」。一斉に攻めて、攻め切ってしまう 営業の勝敗、キリンの教訓(6)ライバルに圧勝した背景とは 追加日:2021/03/08 「理念の実現」へと動きだし、キリンビールの巻き返しが始まった。そうすると、当然のようにライバル会社が対抗してくる。それには、どのように立ち向かったのだろうか。キリンビールがライバル会社をもろともせずにシェアを拡大する... 「ノウハウ」では勝てない。大切なのは「スタイル」である 営業の勝敗、キリンの教訓(7)「内在的な論理」に応える 追加日:2021/03/15 「キリンの理念の実現」に向けて、組織を動かす中で、どうしようもない事態に陥ることがある。たとえば、キリンビール本社から「お金を使ってはいけない」と指示がきたことがあったが、資金がないなかで四国支店は、その他の支店と圧...
下品にならない「やる気」の秘密はロマンティシズムにある 真のやる気とは何か(1)キリンビールに受けつがれる武士道とは? 追加日:2020/07/03 実業家であり著述家でもある執行草舟氏と、元キリンビール副社長の田村潤氏が、「真のやる気」について語り合う。田村氏はキリンビールが、アサヒビールのスーパードライに押されて最も苦戦していた時期に高知支店長となり、現場のや... 「自己信頼」と「わがまま」の違いをもたらすものは何か? 真のやる気とは何か(2)エマーソンの「自己信頼」に学べ 追加日:2020/07/10 「真のやる気」というものは、簡単そうでいて、実は簡単ではない。そのことを考えるのに参考になるのが、アメリカの詩人で哲学者のラルフ・ウォルド・エマーソンが説く「自己信頼」の考え方である。エマーソンの「自己信頼」は、アメ... キリンビール高知支店はいかに大企業病から這い上がったか 真のやる気とは何か(3)大企業病脱却のための処方箋 追加日:2020/07/17 あらゆる組織が罹患する可能性のある大企業病。その例外ではなかったキリンビール高知支店は、いかにそこから這い上がり、V字回復したのか。そこには、自分たちの土台に立脚し、運命を感じて、主体的に動いていったプロセスがあった。... 裏の汚い部分を引き受けねば「きれいごと」は実現できない 真のやる気とは何か(4)蓮の花は泥沼の中から咲いてくる 追加日:2020/07/24 「本社の方針が間違っている」「上司が悪い、許せない」と愚痴をいうのはビジネスパーソンの常かもしれない。しかし、それだけでは真のやる気は生まれない。宿命というのは、決して美しいだけのものではなく、その裏には汚さや悪い部... 大左遷の「原因」こそが、大飛躍の「推進剤」だった 真のやる気とは何か(5)自分の「短所」は「長所」でもある 追加日:2020/07/31 物事には良い部分と悪い部分がある。それは企業も人も同じで、ついつい悪い部分、弱点の補強をしたくなるものだ。しかし、良いものと悪いものは表裏一体で、同じものをどちらから見るかの違いにすぎない。だから、悪い部分を潰そうと... リーダーには「嫌なこと」を納得させられる力が必要である 真のやる気とは何か(6)どぶ板営業の徹底で理念が生きた 追加日:2020/08/07 組織というのは、決めたことをやり切ることで初めて成立する。それにもかかわらず、田村氏が支店長として赴任した高知支店は、実行力のない中途半端な状態だった。そんな中、「家に帰るな」「眠るな」という一喝によって、組織は徐々... 「理念によるマネジメント」で運命を切り拓く 真のやる気とは何か(7)真のやる気は「根っこ」から 追加日:2020/08/14 宿命の「汚い部分」「嫌な部分」に真っ正面から体当たりしないと、自己信頼には至れず、運命も切り拓くことができない。それは「日本の宿命」を考えても同じである。成果主義、企業統治改革、西洋合理主義、はたまた明治時代に輸入し... 真の自由と気高さを与えたから、部下たちの心に火がついた 真のやる気とは何か(8)必要なのは「自由」と「気高さ」 追加日:2020/08/21 田村潤氏は、よく、「なぜ部下たちの心に火がついたのですか」と聞かれるという。2人の対談から見えてきたことは、「真の自由」そして「気高さ」を徹底的に部下に与えていたことである。それはいずれも、どこまでも「理念」を追及した... 西郷隆盛は過去をすべて背負ったからこそ、偉大になった 真のやる気とは何か(9)問題を切り捨てず、受け入れよ 追加日:2020/08/28 企業も人も「良い部分」だけ残して、「悪い部分」を切り捨てるのでは大成しない。あの西郷隆盛もまた、親の借金から逃げずに、生涯をかけて返済しようとしたそうだ。組織が窮地に陥ったとき、逃げずに宿命を背負う覚悟のある人だけが... 文学なき「やる気」は、振り込め詐欺のごとき愚劣なものになる 真のやる気とは何か(10)旧制高校出身者がいた時代の良さ 追加日:2020/09/04 キリンビールの現場にいた田村潤氏は、ちょうど日本がバブルに沸き立つ前後から、社内会議の質が急激に低下するのを実感したという。それ以前と以後の違いは、「旧制高校出身者の有無」だった。執行草舟氏はその事実を、文学と哲学の... 理念を自分の腹に落として行動していく「野獣性」の大切さ 真のやる気とは何か(11)生き方ではなく、死に方を考える 追加日:2020/09/11 いかに生きるべきかを考えるのが文学だが、生き方は「死に方」を定めなければはっきりしない。「自分はいかに生きるべきか」ばかりを考えていると、エゴイズムに陥ってしまう。一方、「死に方」を考えると、「誰かのため」ということ... 「お客さんに喜んでもらうため」と考えると工夫が生まれる 真のやる気とは何か(12)業績と幸せは両立できる 追加日:2020/09/18 アメリカはなぜ無謀ともいえる独立戦争に挑んだのか。彼らを戦いに駆り立てたのは、可能か不可能かという判断ではなく、「自由か、然らずんば死か」という覚悟に他ならない。同じく、高知キリン支店は、2700軒の飲み屋を回るという一... 「自分が幸福になろう」と思うと、一気に不安が押し寄せる 真のやる気とは何か(13)自由と勇気の源、不安と臆病の源 追加日:2020/09/25 企業で働く人も、経営者も、官僚や政治家も、みな幸せになりたいと願うことで幸福病になっている。結果、人は臆病になり、少しのリスクも許容できなくなるという。そうなれば当然、勇気は湧いてこないばかりか、幸せにもなれない。だ... すべてを受け入れることで、他者のために生きる自己が実現する 真のやる気とは何か(14)「素直な心」が強さを創る 追加日:2020/10/02 「真のやる気」について長い時間を語り合った末に、執行氏と田村氏がたどりついたのが「他者のために生きる」「素直な心」というキーワードだった。日本の根幹にある「他者のために」という心を取り戻せば、自らの使命が明確に見えて...
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